BG800(Boogie)の発売から数年後に、新たな客層の獲得を狙った幾つかのバリエーション・モデルがプロトタイプとして製作された。その一つがこのブギー・カスタムで、市販のBG800(Boogie)を基にレスポール・カスタム風の豪華な意匠が施されている。

BG800(Boogie)との主な違いは以下の通り。

• ヘッドのロゴがギブソン・タイプ
• ヘッド・ネック・ボディに白のバインディング (一重)
• 2ハムバッカー・ピックアップ (DRY 1982)
• ゴールドパーツ
• エボニー指板
• ピックガードに「Boogie」のロゴ無し
• ストラップピンがなぜかシルバーのフェンダータイプ（交換された？）

ハムバッカーではあるが、ピックアップ・バランサーはしっかり搭載されている。
ボディ、ネック素材はおそらくマホガニーで、レスポールのようなメイプルトップでは無いと思われる。
重量はBG800(Boogie)よりも重く4.0kg。

音はBoogie特有のこもった音ではなく、明瞭で扱いやすいハム・サウンド。
「DRY 1982」の最初期製造の物は一般的に評価の高い「Z-DRY」と同様のUSA製コイルが使われているらしいのだが、果たしてこの「DRY 1982」は…？

シリアルナンバーは無いが、ピックアップ・キャビティ内の記述から、モデル末期の1982年4月に製造された事が読み取れる。
また、プロトタイプの証明となる「試作」のスタンプが押されている。
「カスタム」と並行して作られた「スペシャル」「ジュニア」などと合わせて、同時期にプロトタイプが計10本程度作られた模様。
前オーナーさん曰く、この個体はARBの田中一郎氏が所有していた物との事。